2013年6月12日水曜日

野ざらし紀行 小夜の中山


  
           馬に寝て 残夢月遠し 茶の煙    小夜の中山

 20日余りの月がかすかに見えて、山の麓の暗い中を、馬に鞭を垂れ
て数里旅して来たが、いまだ鶏は鳴かない。杜牧が詠んだ「早行」の残
夢は小夜の中山まで来ると驚いて目が覚めた。西行の詠んだ小夜の中
山である。
 
 年たけて また越ゆべしと 思いきや 命なりけり 小夜の中山
 風になびく 富士の煙の 空に消えて 行方も知らぬ わが思ひかな

                                      西行

 小夜の中山には、芭蕉の「涼み松」があったと言われる処に、芭蕉の
句碑がある。
            命なりわづかの笠の下涼み
「野ざらし紀行」には載っていないが、小夜の中山で詠んだと云う。


小夜の中山と夜泣き石
































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