馬に寝て 残夢月遠し 茶の煙 小夜の中山
20日余りの月がかすかに見えて、山の麓の暗い中を、馬に鞭を垂れ
て数里旅して来たが、いまだ鶏は鳴かない。杜牧が詠んだ「早行」の残
夢は小夜の中山まで来ると驚いて目が覚めた。西行の詠んだ小夜の中
山である。
年たけて また越ゆべしと 思いきや 命なりけり 小夜の中山
風になびく 富士の煙の 空に消えて 行方も知らぬ わが思ひかな
西行
小夜の中山には、芭蕉の「涼み松」があったと言われる処に、芭蕉の
句碑がある。
命なりわづかの笠の下涼み
「野ざらし紀行」には載っていないが、小夜の中山で詠んだと云う。
小夜の中山と夜泣き石
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