2013年5月16日木曜日

日本のシャーマニズム  神々の顕現

ニヒリズムからの神々の誕生 

 律令制度による改革を進めていた奈良時代には、一方では、鎮護国家
と言う仏教による精神的統一を果たした。ここでは仏教は、病気平癒や疫
病の阻止という医療的な役割と戒律と同じような律令という法の順守を説
き社会のインフラ整備のための労役の奉仕という現実的な大きな社会的
役割をも担った。

 この中心になって活動したのが、修験道や雑密と呼ばれる密教の指導
者達であった。十一面観音というのは、密教の観音様である。懺悔による
精神の浄化は、火によって様々な罪を焚焼し、水によって清める。お水取
りという象徴的な行事を通して、我々は懺悔と徐霊と浄化によって再生を
果たすのである。懺悔とは菩提心の契機となる。

神々の創造
修験道では、役の行者や泰澄大使は権現という神々を創造した。雑密で
は土着神と仏教の仏達が力を協わせ、真言密教では曼荼羅の世界観に
統一される。奈良時代の密教は華厳経学派のお寺から生まれたものがほ
とんどだ。
 華厳経の法とは、「帝釈天の網」に喩えられる。帝釈天の網の結び目に
水晶の宝珠がついていて、そのひとつひとつが他の一切の宝珠を映し
出していると云う。普賢観とよばれ、一つの水晶の宝珠を見れば、すべて
の因果関係が見えるという喩えである。一つの珠にすべての事象が納め
られているという意味の法の理法を説いている。
 




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