華厳経から真言密教にジャンプしたのは、華厳経の陥る
あったと思う。奈良時代の行者は教学中心の華厳宗の寺を出て、
修行に励み、最終的には衆生済度のために社会的事業に邁進す
これはニヒリズムの克服に他ならないだろう。空海の真言密教
大成であったと思う。悟れる仏が作った法の下に平等だとい
えは、政治家を魅了するものだが、一方「空観」はこの
見渡すから、「生者必滅」というニヒリズムに陥る
たものが、一切衆生の救済という誓願だっ
平家物語のモチーフは正に華厳経のニヒリズムにあった
一面観音を信仰した平清盛の死と平氏の滅亡は、その
に映ったと思われる。源氏の台頭はそういうニヒリ
八幡神と密教の接点である八幡大菩薩信仰
んだのかもしれない。
ニーチェがニヒ
自らが
の観世音菩薩は普く世界を観わたす絶対的存在であり、そのニヒ
は「豊饒の海」の認識者であり法の支配者である判事本多に
三島はニヒリズムを克服するために、自ら剣をとって
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