源氏物語「若紫」に戻りますが、「法華三昧行う懺法の声」とあります。
法華懺法は、法華経を読誦して罪障を懺悔し、後生善所を願う法要で
天台宗の重要な儀式です。
懺悔は仏教の修行の重要な一つになっており、自ら意識するしないに
かかわらず、自分が犯したであろう罪過を全身全霊をもって悔い改め、
仏の前にそのゆるしをえて、心身を清浄にします。懺悔はさとりであると
まで言われ、毎日の勤行に欠かせません。
この「懺悔」を具現化したものに、東大寺のお水取りが考えられます。
この行事は、東大寺でも非常に重要な「不退転の行法」として伝えられ
ています。奈良時代に疫病を抑えた、修験僧と十一面観音信仰とは深
い関係があります。
東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は、天平勝宝4年(752)に、実忠
和尚(じゅちゅうかしょう)によって創始された。実忠和尚は東大寺を開
山した良弁僧正の高弟でした。
修二会の正式名称は「十一面悔過(けか)」といいます。われわれが日
常に犯している様々な過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩
の宝前で、懺悔することを表わしています。修二会が創始された奈良時
代には、天災や疫病や反乱は国家の病気と考えられ、鎮護国家、五穀
豊穣、万民快楽などを願う行事とされました。
この法会は、現在では3月1日より2週間にわたって行われるが、元は
旧暦の2月1日から行われていた。
3月12日深夜(13日の午前1時半頃)、若狭井(わかさい)という井戸から
観音様にお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる「お水取り」の
儀式が行われる。練行衆の道明かりとして、夜ごと大きな松明(たいまつ)
がともされる。
深夜にやるのは、いかにも秘儀めいていて、効験がありそうに思われる。
家の宗派が曹洞宗で、晩の回向として大悲心陀羅尼経にはじまって、真言
や陀羅尼が続く。晩とあるのだから、やっぱり深夜なのかと思う。
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